医療事業
弊社では、24時間365日、医療ガス供給を事業の基礎として、医療ガス設備の設計施工および保守検査、在宅医療サービス を多くのお客さまに提供しております。

在宅酸素療法
在宅酸素療法(HOT:Home Oxygen Therapy)は、慢性呼吸不全、肺高血圧症、慢性心不全などにより体内の酸素が不足しやすくなった患者様が、日常生活を送りながら家庭で酸素を吸入することができる療法です。
医療機関だけでなく、自宅や外出先でも継続的に酸素吸入を行うことで、体内の酸素濃度を適切に保ち、息切れや倦怠感といった症状を緩和します。これにより、患者様は趣味や買い物、友人との交流、さらには旅行など、これまで制限されていた日常生活や社会活動をより自由に楽しむことが可能となります。
現在では、HOTは最も普及している在宅医療のひとつであり、多くの患者様がご自身のライフスタイルに合わせた形で取り入れています。

CPAP
CPAP(Continuous Positive Airway Pressure:持続陽圧呼吸療法)は、睡眠時無呼吸症候群(SAS:Sleep Apnea Syndrome)の代表的な治療法です。
SASは、睡眠中に何度も呼吸が止まったり浅くなったりする病気で、重症化すると高血圧や心疾患などのリスクが高まることもあります。CPAP治療では、専用のマスクを鼻に装着し、適切な圧力の空気を持続的に送り込むことで、閉塞しやすい気道を広げ、呼吸が妨げられないようにサポートします。
この治療により、無呼吸やいびきが大幅に軽減され、ぐっすりとした質の高い睡眠が得られるようになります。その結果、日中の強い眠気や集中力の低下、倦怠感などの症状が改善され、日常生活の質の向上にもつながります。

睡眠評価装置
睡眠評価装置は、睡眠中の呼吸状態や心拍、血中酸素濃度などの生体信号を収集・記録することで、睡眠の質や睡眠障害の有無を評価するために使用される医療機器です。
この装置では、睡眠中に気道が狭くなって呼吸が浅くなる「低呼吸」や、気道が一時的に閉塞してまったく呼吸ができなくなる「無呼吸」といった状態が、どの程度起こっているかを測定します。
10秒以上続く無呼吸や低呼吸の状態が、1時間あたりに何回発生したかを示す「無呼吸低呼吸指数(AHI)」が5を超えると睡眠時無呼吸症候群と判断され、症状の程度に応じてCPAPなどの治療が検討されます。

人工呼吸器
人工呼吸器(MV:Mechanical Ventilation)は、体内の酸素と二酸化炭素の交換(ガス交換)を助けたり、呼吸にかかる負担を軽減したりするために使用される医療機器です。
主に、慢性閉塞性肺疾患(COPD)の安定期や、肺結核の後遺症による換気障害、夜間の睡眠時に呼吸が浅くなる「夜間低換気」などに対して、換気補助の目的で使用されます。また、呼吸筋の低下や胸郭の変形によって自発的な呼吸が難しくなる疾患においても、人工呼吸器が重要なサポート手段となります。
患者さんの状態に応じて、非侵襲的なマスクタイプ(NPPV)や、気管切開を行って使用する侵襲的なタイプ(TPPV)などが選択されます。
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院内機器・ガス配管
医療現場における安全かつ安定したガス供給を実現するために、医療ガス供給設備(集合装置・配管工事)の設計から施工までを一貫して対応しております。また、ガスバルブや流量計、吸引器といった周辺機器の取り扱いも行っており、創業以来培ってきた専門技術とノウハウを活かしたご提案が可能です。
医療ガス関連以外にも、院内で日常的に使用される医療機器や、マスク・チューブ・ディスポ製品などの消耗品も幅広く取り扱っております。
「このようなものが欲しい」「こんな用途に使える機器を探している」など、具体的でなくてもかまいません。イメージをお伝えいただければ、当社にて調査・ご提案をさせていただきます。


呼吸器の診察室
回答:久留米大学医学部 臨床教授 津田徹
息切れがありますか?
坂道を昇ったりすることが、年をとってくると、きつくなってきます。 肺の機能もからだの他の部分と同じように、老化により、機能が落ちてきます。回りの同じ年の方々と比べて、あなたはどのくらい、動けますか?
肺気腫や、結核で手術を受けた方、肺の繊維症などの病気により、息切れが起こります。肺の病気以外にも心臓の病気、貧血などでも息切れは起こりますが、まず、診察を受けましょう。特に、息切れは風邪をひいたときに強くなりませんか?また、タバコをこれまで沢山吸ってきたあなた!咳や痰、息切れで困っていませんか?
胸のレントゲン、肺機能検査のほか、動脈血ガス検査、酸素飽和度の検査により、どの位、体の中に酸素があるか、また、動くことによって、どの程度、酸素が下がるか検査をします。その結果、酸素を使用する必要があるときは、保険医療で在宅酸素療法を受けることができます。


在宅酸素療法とは?
快適に自宅で酸素を吸いながら、療養するためにどの位の濃度の酸素を使うか、医師が外来検査、または入院して、検討します。それと同時に、病気の説明、吸入薬などの使用方法、腹式呼吸を始めとする呼吸リハビリ、酸素機器の使用方法、呼吸器の患者さんのための栄養管理、禁煙の指導などを行います。
医師の指示により、酸素ボンベや酸素濃縮器などを在宅酸素取り扱い業者の方から、自宅に設置に伺います。また、かかりつけのお医者さんの紹介する訪問看護ステーションから、看護士さんに自宅で看てもらうことも可能です。
さらに最近、在宅で鼻マスクを用いた人口呼吸器療法ができるようになりました。若いときの体には戻りませんが、上手に病気とつきあうことができます。自宅に据え付けの機器の他に携帯の酸素ボンベも使用できます。「酸素を吸いながら人前に出るのは恥ずかしい」と言われることがよくありますが、息苦しい状態をがまんすると、今度は心臓にも負担がかかってきます。「酸素を吸いはじめるとくせになって、酸素が離せなくなり、体が弱ってしまうのでは?」と言う方もいますが、実際は、酸素を吸っていた方が長生きできるという結果もでています。
在宅酸素をしている仲間と一緒に外出する、旅行することなどをとおして、病気を自分でコントロールし、積極的に生活するという姿勢が大事です。病気の治療だけではなく、このようなサポートについてもご相談を受けます。
