窒素(N2)
【性質】
(1)無色・無味・無臭であり、常温常態では気体である。
(2)化学的には極めて不活性発な気体であるが、高温では多くの金属とも化合し
て、窒化物をつくる。
(3)高温では酸素と反応して酸化窒素(NO)になる。
(4)雰囲気中の窒素濃度が高くなれば酸素欠乏症を起こす。窒素等を用いた置換
後不注意にその内部へ入って死亡した例があることから、注意をすることが
必要である。
【製造方法】
空気の液化分離装置により製造された液化窒素が利用される。
ボンベに充填された窒素ガスは、液化窒素を気化させて、ボンベ詰めしたものである。また、液化窒素貯槽(CE)に貯蔵されている液化窒素を蒸発気化させて、気体窒素が製造される。
【用 途】
・電子工業用
・アンモニア合成、石灰窒素の原料
・可燃性ガス等の置換用
・化学薬品製造
・熱処理
・気密試験用
・エアゾール噴射剤
【ガス漏れに対する措置】
(1)容器バルブ取付部からの漏洩
容器バルブの取付部からの漏洩を増締めによって止めようとしてはならな
い。窒素ガスを廃棄した後、容器を販売業者に引渡し修理する。
(2)安全弁が作動して大量のガスが噴出した場合
酸欠防止に注意を払い、窒素ガスが噴出してしまうまで放置しておいてよ
い。
(3)容器バルブからの漏洩
①グランド部からの漏洩
消費中でバルブが開いている時に起こる。バルブを閉めればグランド部か
らの漏洩は止まるが、消費に支障があるので、バルブを閉めてグランドナ
ットの増締めを行う。ガスが止まらない時は容器を販売業者に引渡す。
②充填口からの漏洩
シートパッキンの不良によることが多い。バルブを締めなおせば止まる場
合がある。止まらない場合には、ガスを廃棄して容器を販売業者に引渡し
修理する。
③安全弁からの漏洩
安全弁用ナットを増締めする。ガス漏れが止まらない場合には、ガスを廃
棄して容器を販売業者に引渡し修理する。
【火災発生時の措置】
火災が発生し延焼の恐れがある時は、容器を安全な場所へ速やかに搬出する。容器を安全な場所へ搬出することができない場合は、容器に多量の水を注水して冷却する。